安値の現物の買い玉を持っているとき、どうトレードするか

安値の現物の買い玉を持っていて、日々評価益が増えたり減ったりしているとき、その評価益の一部をキャッシュに変えていくトレードをみてみよう。

安値の現物の買い玉、これを本玉と呼ぶことにすると、その本玉の買いの建値は現在の株価の位置よりもかなり下で、よほどの暴落でも起きない限り、その買値を割ることがないとき、そのままただ持っているだけだと、日々評価益が増減しているだけの状態です。そこで、その評価益の増減をキャッシュにしたいと思うときに行うトレードの例です。

このようなトレードをするのは、現物の株は株主としての権利を維持するために売らずに持っておきたいとか、金融資産として株のまま持っておきたいとか、現物株をすべて売ってキャッシュにしてしまうと、かなりの税金がかかってしまうとか、現物の株を手放したくない理由はいろいろとあると思います。そこで、現物の株を手放さないで、日々の上げ下げの分をキャッシュに変えようという試みです。

トレードの前提として、今、安値の買い玉=本玉を持っており、その安値をよほどのことがない限り割ることがない状況で、買い建値の上の方で日々上に下に動いているものとします。

このとき、本玉の大きさがどのくらいあるかによって、トレードの戦略も変わってくるのですが、例として10枚の本玉があるとして話を進めます。

最初に、本玉の日々の上げ下げの価格帯やその上げ下げのリズム、株価のうねりの周期などを観察し、だいたい高値圏と思われるあたりにくれば、少しずつ空売りをいれていきます。つまり、売り玉の全体の平均値を有利にしていこうというわけです。

トレードしていれば、よく分かることですが、たいてい最初に売りをいれると、その後、上がってしまうことが多く、もっと上で売れたかと思うことがしばしばですが、本玉の枚数以上に売りをいれなければ、売りをいれたあとも、上がれば、上がるほど、評価益は増えていくことになります。もちろん、本玉の評価益の増え方は、売りを入れた分、当然落ちていきますが、売りより本玉の方が枚数が多いため、上がれば上がるほど、本玉の含み益が増えていくことには変わりありません。

ここで注意しておくことは、本玉の枚数以上に売りをいれた段階で、その後、さらに上がれば、含み益が逆に減っていくことになりますので、それが嫌な場合は本玉の枚数以下の売りしかいれないようにすれば、問題ありません。


1-(売り1枚)
1-(売り1枚)
1-(売り1枚)
日々の上げ下げの高値圏あたり
1-(売り1枚)
1-(売り1枚)
1-(売り1枚)

日々の上げ下げの安値圏あたり

本玉の買い建値(日々の上げ下げの安値圏よりずっと下)
-10(買い10枚)


上のように日々の上げ下げの高値圏あたりに株価が来れば、少しずつ売りをいれていき、下がり始めたら、その売りを少しずつ利食いしていきます。これをひたすら繰り返すわけです。このとき、本玉と同じ枚数だけ売りが入らずに下がることも当然ありますが、それはそれでよしとするか、下がり始めたら、本玉と同数までの売りを一気にいれてその後の下げを取りに行くかの判断となります。

ところで、少しずつ売りをいれていったにもかかわらず、ひたすら上げ続けて、ついには本玉の枚数まで売りをいれてしまった場合、どうするかですが、その状態でさらに上がり続けても、全体の損益は手数料分を考えなければ、単に本玉の損益が固定された状態になります。そのような状態になるということは、売りをいれるタイミングが早すぎたということになりますので、やはり日々の上下の観察をしっかりとして、値動きの流れに合わせて売りをいれていく工夫をしなければなりません。

では、実際に、そのような状況になってしまった場合、どうするかですが、それを解決する方法はいろいろです。

1)ひたすら下がるのを待って、売りを利食いしていく。
2)本玉の枚数以上に売りを追加して売りの平均値を上げていき、利食いしやすくする。
3)売りを本玉の枚数以下になるように決済して減らすか、売りをすべて決済してしまう。
4)本玉の買いを増やして、相対的に売りの枚数を買い玉以下にする。

1)の解決策の場合、上がった株価はいずれ下がる日柄がくれば、自然と下がるものですから、その日柄がくるまでひたすら待つことになります。しかし、株価が上下するレンジが一段上に上がってしまうことも当然ありますので、そうなったら、この1)の解決策ではどうにもなりません。その時は、別の解決策に移行するしかないです。

2)の解決策は、うねり取りの上げも下げも取る手法のように本玉以上に売りをいれていく手法と似ていますが、買い玉を残しておくという点でそれと異なります。

本玉と同数まで売りをいれたあと、さらに、上がるようだと、そのまま上げどまるのを待って、売りを追加していきます。上がらなくなれば、当然、下がるわけですが、その下げのタイミングを見計らって売りを追加していくわけです。このようにして、売りを追加していくことにより、売りの平均値が上がっていきますので、その後の下げで売りを利食いしやすくなります。

ただし、この方法は本玉以上の売りを追加するテクニックが必要となってきます。適当に売りを増やしたりすると、さらに、上の方まで持っていかれる可能性がありますので、やはりそれなりのトレード技術が必要となります。

3)の解決策は、本玉と同数の売りがすべて評価損になっている状態ではありますが、その分、買い玉の評価益が増えているわけですから、実質、損失はありません。もちろん、売りをいれなければ、その分、評価益が減らなかったわけですが、売りが本玉と同数入った時点で買いの評価益が減らないようにその時点で評価益を固定したわけですから、売りを入れなかったら、得られたであろう評価益が減ってしまっても文句は言えません。逆に、もし、売りをいれてなく、評価益が増えるのを日々眺めていたところに大暴落が突然起きたとしたら、あったはずの評価益が幻に終わるかもしれませんので、どちらがいいのかという選択ですね。

いずれにしても、本玉と同数の売りが入った時点でその売りにかかる手数料分以上の損失は発生しないわけですから、売りをその時点ですべて決済してもその手数料分損するだけです。そして、本玉のみの状態の振り出しに戻るわけです。

あるいは、売りの一部のみを決済して、その後も、さらに上にあがるようであれば、上でさらに本玉と同数まで再度売りをいれていくかですね。そして、下がり始めたら、入れた売りを利食いしていくわけです。

どちらにしても、売りを決済しても、損するのは手数料分だけですみます。

4)の解決策は、資金に余裕がある場合、本玉を増やして相対的にいれてる売りの枚数を本玉以下にして、その後の上げでさらに売りを追加できるようにする方法です。買いを増やしたあと、下がり始めたら、売りを利食いしつつ、増やした買いももとの本玉まで利食いすればよいでしょう。ただし、この解決策だと、買いを追加した時点で本玉の買い建値が多少上がりますので、それがよいかどうかという判断になります。

もともと、現物に対しての空売りは、証券会社やその他の事情にもよりますが、現物の評価額の8掛けを空売りの資金として使うことができますので、本玉の枚数以下の空売りをする分には、持ち出しの資金が必要ありません。つまり、現物の評価額の8掛けの資金でもって空売りを仕掛けていくわけです。ただし、空売りの枚数が増えていくに従って、現物以外からの資金も必要になるかもしれませんが、基本、現物の評価額の8掛けの範囲内で空売りをすれば、その必要もないでしょう。

ここに挙げた以外にもいろいろと解決策はあるでしょうが、どのような解決策でいくかは、そのときの状況などによりあれこれ判断すべきことだと思います。

ざっと思いつくままに解決策を上げてみましたが、結局は建玉操作の技術さえあれば、どんな状況になろうとも、どうにでもなるということです。なので、日々、建玉操作の技術を磨く必要があるということです。

ここで挙げた例のように、安値の買い玉を持ちながら、その評価益の一部をつなぎ売りを駆使してキャッシュに変えていくという手法は、現物の買いを持ちながらの空売りなので、空売りに際して恐怖を感じることはなく、意外と簡単にできてしまいます。そして、この手法はその現物を持っている限りいつまでも繰り返し行うことができますので、手放すつもりがない現物があれば、おすすめのトレード手法だと思います。